行政書士の初回相談は、準備が非常に大切です。準備が全てと言っても過言ではありません。準備をどこまでするかによって、受任率が大きく違ってきます。
このページでは、行政書士が初回相談の予約を受けてから相談日までに準備することをまとめています。1つでも参考になれば幸いです。
初回相談のゴール(目的)を明確にする
初回相談のゴール(目的)を意識していないと、ぐだぐだした相談になったしまったり、お客様がどんどん質問してそれに答えるだけという時間になってしまいます。
それで、最終的に受任になれば良いですが、受任できなかった場合、徒労感だけが残ります。私も新人の頃、十分な準備をせずに初回相談に臨んでしまい、ただ聞きたいだけの人に利用されただけといった経験を多数しました。そんな時は自己嫌悪に陥ります。
ですから、初回相談を受ける時は、必ず、その目的を明確にしておきましょう。ここで、大事なのは、受任するということだけが目的ではないことです。
初回相談の目的としては、
- 相談当日、その場で業務を受任する
- お客様に信頼してもらい、次につなげる(有料相談や後日受任)
- お客様のニーズ調査、相談対応の練習と割り切る
- 事務所の利益より社会貢献につながればよい
などがあると思います。
4から、触れていきますね。
ボランティアで行政書士を行う場合や、行政書士は好きでやっているといった場合、4でもよいと思います。実際、そういう行政書士もいますし、自分もある程度の年齢になったら、そういう働き方もありかなと思います。
まだ経験の浅い新人行政書士の場合、3でよいと思います。無料で相談対応の練習ができるのですから、自分にとってもメリットがあります。もしかしたら、お客様より行政書士側にメリットがあるのかもしれません。
経験を積むに従い、2や1に移行していく必要があります。そうしないと、経営効率的によくないからです。無料相談して受任にならない場合、事務所側にとってメリットよりもデメリットのほうが大きいです。相談に使った時間が無駄になるというデメリットもありますが、精神的なデメリットもあります。つまり、徒労感や敗北感、自己嫌悪感などですね。
大事なのは、この目的を事前にしっかりと決めておき、それを相談中も意識し続けることです。相談の目的がニーズ調査なら、受任すればラッキーくらいの気持ちでよいです。だから、受任できなくても、それほどがっかりしませんし、ましてや自己嫌悪に陥ることもないでしょう。
そして、相談が終わったら、目的が達成できたかどうか、振り返ってみてください。目的が1である場合、受任できてもできなくても振り返ります。この時、頭の中で考えるだけでなく、紙に書きだすとよいです。簡単なメモで構いません。私も、相談が終わったら、簡単な相談メモを作っています。パソコンで作成する時もありますし、雑記帳に書くこともあります。そうすることで、反省点や改善点が見えてきて、次の相談に活かすことができます。
初回相談で伝えること、相談の流れを整理しておく
まず、相談で伝えることを整理しておく。
許認可の相談の場合、
要件を満たしているかの判断、懸念点の洗い出し、スケジュール感、事務所のサポート内容、料金などですね。
それぞれ、詳しくみていきます。
要件を満たしているかの確認・懸念点の洗い出し
要件を満たしているか否かによって、行政書士側からの提案内容が変わってきます。
要件を満たしている場合、スケジュール感と料金を説明して、依頼につなげることができます。
要件を満たしていない場合、要件を満たすためにどのような対策が必要なのかを検討していく必要があります。具体的な対策のアドバイスについては、無料で行う場合もありますし、有料相談にする場合もあります。
無料なのか有料なのかについては、ある程度の判断基準を決めておいたほうがよいです。例えば、紹介案件なら無料、それ以外なら有料といった感じです。
スケジュール感
事務所のサポート内容
料金
事前にお客様から聞いておくこと
相談内容
希望する対応方法
既に役所や他の事務所に相談すみか否か?
相談済の場合、その時に言われたこと
法人客なら、事前に調べておくと好印象につながること
相談者が法人である場合、事前に調べられることがたくさんあります。ホームページがある会社であれば、会社概要や沿革、製品案内、社長メッセージのページなどは見ておきましょう。また、採用ページが別にあることもありますが、採用ページもチェックしておくと、意外な情報、かつ重要な情報を得られることもあります。
その他、調べておくことは、以下ですね。
プレスリリース
メディアで掲載された記事
業界に関する基礎知識
社長や担当者の名前
事前に、〇〇さん、〇〇さんと復唱しておくと、相談の場でも自然と相手の名前を発することができます。